結論
健康な成人がカフェインを安全に摂取できる目安は、農林水産省の公開情報(欧州食品安全機関EFSAの2015年科学的意見書に基づく)によると「1日400mg以下・1回200mg以下」とされています。ドリップコーヒー1杯(150ml)に含まれるカフェインはおよそ90mg前後が目安であり、単純計算では1日3〜4杯程度が許容範囲の目安になります。ただし妊婦・授乳中の方や18歳未満の子ども、カフェインへの感受性が高い方はより少ない量が推奨されています。「何杯まで絶対OK」という一律の基準は存在せず、個人差もあるため、体調の変化を観察しながら量を調整することが大切です。本記事の内容は2026年5月時点の公開情報に基づきます。
本記事でわかること
- カフェインの1日摂取量の目安(農林水産省・EFSAの公式データをもとに解説)
- 主な飲み物のカフェイン含有量の比較表
- 妊婦・子ども・カフェイン感受性の高い方が注意すべきポイント
1. カフェインとは
カフェインはコーヒー豆・茶葉・カカオなどの植物に天然に含まれるアルカロイドの一種です。中枢神経系に作用して眠気を抑制し、覚醒レベルを一時的に高める効果があることが研究で確認されています。食品安全委員会(内閣府)の2018年更新ファクトシートによると、カフェインは世界で最も広く摂取されている向精神物質のひとつであり、適切な量であれば多くの成人にとって安全とされています。
一方で過剰に摂取した場合は、めまい・心拍数の増加・不眠・下痢・嘔吐といった症状が現れることがあります(農林水産省「カフェインの過剰摂取について」より)。また、純カフェイン粉末や高濃度液体製品については致死的な事例が海外で報告されており、農林水産省は粉末・半固形食品で5%以上、液体で1%以上のカフェインを含む食品の一般販売を禁止しています(2024年時点の施策)。コンビニやカフェで販売されている一般的なコーヒー飲料はこの規制の対象外ですが、高濃度カフェインをうたうサプリメントや製品には注意が必要です。
2. 主な飲み物のカフェイン含有量の比較
農林水産省の公開情報および食品安全委員会ファクトシートを参照すると、主な飲み物のカフェイン含有量の目安は以下のとおりです。数値は公的機関が公表している参考値であり、製品・抽出条件によって差があります。
| 飲み物 | 100mlあたりのカフェイン量 | 一般的な1杯の量 | 1杯あたりの目安量 |
|---|---|---|---|
| コーヒー(ドリップ) | 約60mg | 150ml | 約90mg |
| エスプレッソ | 約212mg | 30ml | 約64mg |
| 紅茶 | 約30mg | 150ml | 約45mg |
| 緑茶(煎茶) | 約20mg | 150ml | 約30mg |
| エナジードリンク | 約32〜36mg | 250ml缶 | 約80〜90mg |
| コーラ | 約10〜12mg | 350ml缶 | 約35〜42mg |
※2026年5月時点の公的機関公表値をもとにした目安。製品・淹れ方によって異なります。
この表からわかるように、エスプレッソは100mlあたりのカフェイン濃度は高いものの、1杯の量が30ml程度と少ないため、1杯あたりのカフェイン量はドリップコーヒーを下回ります。エナジードリンクは1缶(250ml)でドリップコーヒー1杯に近いカフェイン量を含んでおり、飲み慣れてしまうと1日に複数缶飲むケースも多いため、合計量に注意が必要です。
1日400mgという目安をもとに計算すると、ドリップコーヒー(1杯90mg)であれば4〜5杯弱、エナジードリンク(1缶80〜90mg)であれば4〜5缶に相当します。ただしエナジードリンクは糖分や他の成分も多く含むため、カフェイン量のみを基準に判断することは適切ではありません。
3. 特に注意が必要な方
農林水産省と食品安全委員会の情報をまとめると、カフェインの影響を受けやすいとされるグループは主に3つです。
1つ目は、妊婦・授乳中の方です。EFSAおよびWHO(世界保健機関)は、妊娠中のカフェイン摂取を1日200mg以下に抑えることを推奨しており、農林水産省も同様の目安を案内しています。カフェインは胎盤を通じて胎児に移行するため、成人と同じ基準では考えられません。ノンカフェインのハーブティーやデカフェコーヒーへの切り替えも有効な選択肢です。
2つ目は、子ども・青少年です。農林水産省の情報によると、18歳未満については1回あたり体重1kgにつき3mg以下が目安とされています。体重40kgの子どもであれば1回あたり120mg、体重60kgの青少年であれば180mgが上限の目安になります。コーヒーや高カフェインのエナジードリンクを日常的に飲む習慣は、この基準を容易に超えるため注意が必要です。
3つ目は、カフェインに感受性が高い方です。カフェインの代謝速度には遺伝的な個人差があります。少量でも動悸・不眠・不安感が起きやすい方は、摂取量を400mgより少ない量に抑えることが合理的です。EFSAの科学的意見書(2015年)では、就寝時間の6時間前からのカフェイン摂取が睡眠に影響する可能性があるとも述べられており、夕方以降の摂取を控えることが睡眠の質を保つうえで有効とされています。
こんな人におすすめ
- 1日にコーヒーやエナジードリンクを複数杯飲む方 → 飲み物の種類と杯数を記録して、1日のカフェイン総量を把握することが出発点になります。
- 妊娠中・授乳中で飲み物を見直したい方 → カフェインレス・デカフェのコーヒーや麦茶への切り替えが選択肢になります。
- 夜に眠れない・夕方以降に動悸が気になる方 → 午後2時以降のカフェイン摂取を減らすことで改善できる場合があります。体調に不安がある場合は医師に相談することを推奨します。
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まとめ
- 健康な成人のカフェイン摂取目安は1日400mg・1回200mg以下(農林水産省・EFSA参照)。ドリップコーヒーであれば1日3〜4杯程度が大まかな目安になる。
- 妊婦・授乳中の方は1日200mg以下、18歳未満は体重1kgあたり3mg以下が推奨されており、成人と同じ基準は適用できない。
- カフェインの影響には個人差があるため、体調の変化(動悸・不眠・不安感)を観察しながら摂取量を調整することが合理的な対応。
出典
- 農林水産省「カフェインの過剰摂取について」— https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
- 消費者庁「食品に含まれるカフェインの過剰摂取について」— https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/food_safety/food_safety_portal/other/contents_002/
- 食品安全委員会「食品中のカフェイン ファクトシート」— https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
- EFSA「Scientific Opinion on the safety of caffeine(2015年)」— https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2015.4102
- 厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」— https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html


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