結論
麦茶はカフェインを含まない飲み物です。原料の大麦(イネ科)はカフェインを合成する植物ではないためで、文部科学省の食品成分データベースにもカフェインの記載はありません。エネルギーは100gあたり1 kcalと非常に低く、ミネラルはカリウム6 mg・カルシウム2 mgなどをごく微量含みます。
作り置きの保存期間は、麦茶製品大手の株式会社はくばくの公式FAQによると、水出しで冷蔵2日程度、煮出しで冷蔵最長3日程度が目安です。夏場の常温保存は細菌繁殖のリスクがあるため避けることが推奨されます(2026年5月時点の公式情報に基づきます)。
本記事でわかること
- 文部科学省の食品成分表(八訂増補2023年)に基づく麦茶の栄養成分の数値
- 麦茶にカフェインが含まれない植物学的な理由
- メーカー公式が示す保存期間と衛生的な扱い方の要点
1. 麦茶の栄養成分
文部科学省の食品成分データベース(日本食品標準成分表八訂増補2023年、食品番号:16055)には「し好飲料類/麦茶/浸出液」として麦茶の成分が記載されています。100gあたりの主な数値は次のとおりです。
| 成分 | 100gあたりの値 |
|---|---|
| エネルギー | 1 kcal |
| 水分 | 99.7 g |
| 炭水化物 | 0.3 g |
| たんぱく質 | 微量(Tr) |
| 脂質 | 0 g |
| ナトリウム | 1 mg |
| カリウム | 6 mg |
| カルシウム | 2 mg |
| マグネシウム | 微量(Tr) |
| リン | 1 mg |
| 亜鉛 | 0.1 mg |
| 食塩相当量 | 0 g |
ミネラル含有量は非常に少ない数値です。カリウムの1日あたりの目安量は成人で2,000〜2,500 mg程度(厚生労働省「日本人の食事摂取基準2020年版」)とされており、麦茶1杯(200 mL相当)に含まれるカリウムは約12 mgにとどまります。「麦茶でミネラル補給」という表現を見かけることがありますが、数値から見ると麦茶を主要なミネラル補給源と位置づけることは現実的ではありません。
一方で、カロリーは100gあたり1 kcalと非常に低く、糖類の含有量もごくわずかで食塩相当量は0です。夏場の水分補給において余計な糖分・カロリーを避けたい場面では、水に近い感覚で活用できる飲み物と言えます。
2. カフェインがない理由と他の飲料との違い
麦茶がカフェインを含まない理由は、原料の植物が異なるためです。緑茶・ウーロン茶・紅茶はすべてチャノキ(学名:Camellia sinensis)の葉を原料とします。チャノキはカフェインを自ら合成するアルカロイド産生植物であり、葉にカフェインが蓄積されています。
麦茶の原料は大麦(学名:Hordeum vulgare)を焙煎したものです。大麦はイネ科オオムギ属に属する穀物であり、チャノキとはまったく異なる植物です。大麦にはカフェインを合成する機能がないため、麦茶の浸出液にカフェインは含まれません。文部科学省の食品成分表においても、麦茶浸出液の成分表にカフェインの項目は存在しないことで確認できます。
麦茶の特徴的な香ばしい香りは、大麦を焙煎する際に生成されるピラジン類と呼ばれる化合物によるものです。ピラジン類は焙煎食品(コーヒー、ほうじ茶など)にも含まれる芳香成分です。一部の研究ではピラジン類が血流に影響を与える可能性が示唆されていますが、2026年5月時点において「健康効果がある」と公的機関が認定した評価はなく、機能性表示食品としての認可もされていないため、過剰な期待を持つことは控えてください。
カフェインに敏感な方、妊娠中・授乳中で摂取量を気にしている方、子どもの水分補給の選択肢を探している方には、カフェインフリーという点で麦茶は選択肢の1つになります。ただし、麦アレルギー(大麦アレルギー)がある場合は摂取前に医師に相談することが重要です。なお、乳幼児への飲み物の適否については小児科医に確認することを推奨します。
3. 作り置きの保存期間と衛生管理
家庭で手作りした麦茶は、市販のペットボトル飲料とは異なり保存料が添加されていません。株式会社はくばく(麦茶製品の主要メーカー)は公式FAQにおいて次のように案内しています。
- 水出しで作った麦茶は、冷蔵庫保存で2日程度(作った日とその翌日)を目安に飲み切る。
- 沸騰させて(煮出し)作った場合も、冷蔵庫保存で最長3日程度が目安。
- 保存料を加えていないため、どちらの方法でも早めに飲み切ることを推奨している。
- 使用した容器は次回使用前に十分洗浄する。
夏場に常温放置をすると、気温が高いほど細菌の繁殖が早くなります。作った麦茶は粗熱をとってから速やかに冷蔵庫に入れることが衛生的に安全です。また、容器の注ぎ口に直接口をつけて飲む習慣がある場合、口腔内の細菌が容器内に移行し、保存中に増殖するリスクがあります。コップに注いで飲む方法が推奨されます。
なお市販のペットボトル麦茶については、各製品に表示されている賞味期限(未開封時)に従い、開封後は早めに消費することがメーカー各社から案内されています。
こんな人におすすめ
- カフェインを気にする方(妊娠中・授乳中・カフェイン感受性が高い方)が日常的な水分補給を選ぶ際に、ノンカフェインという特性から選択肢の1つとして検討できます(麦アレルギーがある場合を除く)。
- 低カロリー・低糖質の飲み物を探している場合、麦茶は100gあたり1 kcal・糖類ごく微量のため、カロリーを気にせず飲める夏の飲み物として向いています。
- 子どもの水分補給に活用したい場合は、カフェインフリーの点でメリットがありますが、乳幼児の場合は摂取の適否を小児科医に確認することが安全です。
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まとめ
- 麦茶はイネ科の大麦を原料とするためカフェインを含みません。文部科学省の食品成分表(八訂増補2023年)でもカフェインの記載はなく、これが「ノンカフェイン」の根拠です。
- 栄養成分は100gあたりエネルギー1 kcal、カリウム6 mg、カルシウム2 mgと非常に微量で、ミネラル補給の主力とはなりにくいですが、低カロリー・低糖質の水分補給として活用できます。
- 家庭での作り置きは水出しで冷蔵2日・煮出しで冷蔵3日が目安です(はくばく公式FAQ)。夏場の常温保存は衛生面から避け、作ったら速やかに冷蔵し早めに飲み切ることが重要です。
出典
- 文部科学省 食品成分データベース「し好飲料類/麦茶/浸出液」日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 — https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=16_16055_7
- 株式会社はくばく お客様相談室 FAQ「作った麦茶はどのくらいまで飲めますか?」— https://www.hakubaku.co.jp/customer/faq/50/


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